米国出張へ出発

今日から米国ロスアンジェルスへ出張だ。出発ぎりぎりまで荷造りをする。まことに慌しい旅立ちで、気分がちっとも高揚しない。何か重大な忘れ物をしているのではないかという気持ち悪さが残る。

新宿駅14:12発の成田エクスプレス25号に乗る。ぼんやり車窓の景色を眺めるが、無意識のうちに鉄塔を探している。千葉駅を過ぎて、うとうとしていたら、もう空港第2ビル駅だ。ゴールデンウィークの名残りか、到着ロビーは混雑しているようだが、出発ロビーは閑散としている。チェックイン後、すぐ出国する。外は雨が降り出したようだ。

JL62便に搭乗する。定刻にゲートを離れる。外はけっこう強い雨が降っている。雨の中の出発はあまり経験したことがない。暫定平行滑走路までタキシングし、離陸待機。先行する全日空B767機が派手に水煙を上げながら離陸していく。ジェットエンジンの後方気流の凄まじさが可視化されていた。続いて、当機も離陸。10,000mくらいまで上昇してようやく雲が晴れ、後方に夕焼け空が広がった。

北緯40度・西経140度付近を航行中、30分以上にわたって激しく揺れた。高度は11,500mくらいだが、かなり気流が悪かったようだ。真冬の太平洋西行きでもこんな乱気流は経験したことがない。B747も、大空の上では枯葉ひとつの重さもない(そんな歌詞の唄があったっけ)ことを痛感する。機体が空中分解したら確実に死ぬな、死までの機序は何だろう、デブリとの衝突、窒息、凍死(機外は零下60度)、どれも御免こうむりたいな、と思う。

やがて嘘のように揺れは収まり、夜が明けた。はるか左手に、サンフランシスコ半島が見える。ゴールデンゲートブリッジはよく見えないが、サンフランシスコ市街が霞んでいる。やがて、ロスアンジェルスの市街の上を旋回し、薄いスモッグの層の中をロスアンジェルス国際空港へ降下していく。空港へ降り立つと、カリフォルニア独特の乾いた空気の匂いがする。ああ、またアメリカに来たなあと思う。入国審査はそれほど厳しくなっておらず、型通りの質問で終わり。車でセンチュリーシティのホテルまで行く。チェックインしてシャワーを浴びたら、もう仕事が待っている。やれやれ。