「戦艦ビスマルクの最期」読了

ルードヴィック・ケネディの「戦艦ビスマルクの最期」(ハヤカワ文庫)を読了した。ビスマルクの追跡行(原題は”PURSUIT”だ)をイギリス側の視点から描いており、ドイツ側からの「巨大戦艦ビスマルク」と併せて、「ライン・ユーブンク」作戦の全貌が理解できた。ただ、戦記としては、後者の方が優れていると思う。ミュレンハイム=レヒベルクは、ビスマルク艦内の状況をつぶさに見ていたごとくに書けようものを、後部射撃指揮所にいた自分が見聞できたことは限られていたと潔く認め、1次情報と2次情報を慎重に区別している。それに対し、ケネディの方は、「おっさん、そんときビスマルクの艦内におったんかい。」と突っ込みを入れたくなるような描写が多い。彼は、追跡行に参加した駆逐艦ターターに乗艦していたとは言え、砲撃戦を傍観していただけなのだが。
巨大戦艦ビスマルク―独・英艦隊、最後の大海戦 (ハヤカワ文庫NF) isbn:4150500827
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20040128
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20040424