「AirCraft」 旅客機のお腹

Amazonで昨日注文したJeffrey Milstein「AirCarft The Jet as Art」(Abrams)がもう届きました。無料体験の「Amazonプライム」を利用したためです。この写真集は、以前、ユナイテッド航空の機内誌で紹介されているのを見て、面白い写真だなと思ったのですが、それ以来忘れていました。しかし、最近、月刊「AIRLINE」5月号で紹介されていたので思い出し、Amazonの洋書販売で取り寄せた次第です。

この写真集に収められている旅客機の写真は一風変わっており、60点中41点*1が旅客機を真下から撮影したものなのです。降着装置が写っていますから、もちろん、地上で旅客機の下にもぐりこんで撮影したものではありません。空港の滑走路終端間際で、着陸寸前の旅客機を真下から撮影したものなのです。*2しかも、画像処理で背景を白にしているので、旅客機が仰向けにひっくり返ったような、見たこともない写真になっています。ふだん決してお目にかかるのことのないアングルであり、見飽きることがありません。ちなみに、下の表紙の写真は、サウスウェスト航空のN225WN(B737-7H4)です。*3

60点中、最も多い機材は、型式ベースでは、B747-400B737-700が各9点で同率1位ですが、ファミリーベースですと、B737が15点*4と圧倒的です。B777が5点、B757が4点と少ないのはちょっと意外でした。航空会社別では、ロスアンジェルス国際空港で撮影したせいか、サウスウェスト航空が9点もあり、2位のアメリカン航空の5点を大きく引き離しています。

日本勢では、全日空のJA8962(B747-481)と日本貨物航空のJA8192(B747-2D3F)の2機が収録されています。JA8962は、「ポケモンジェット・インタナーショナル」の特別塗装時代の写真ですし、JA8192は、すでに外国に売却されて*5登録抹消になっているので、いずれも往時の姿を留める貴重な写真です。

旅客機好きの方にはお勧めの写真集です。
Aircraft: The Jet as Art

*1:残りは、正面が7点、スターボード(右舷)が12点です。右舷写真は、影が写っていなければ、CG画像かと見まがうような、完璧なスポッティング写真になっています。

*2:この写真集には、撮影場所の情報が記載されていません。ネット上で調べると、大部分がロスアンジェルス国際空港(LAX)近傍で撮影されたとのことです。Googleマップの航空写真で見ると、LAXの24R/L、25R/Lともに、滑走路の終端近くに駐車場があるので、そこで撮影したものと思われます。なお、「AIRLINE」誌では、ロナルド・レーガン・ワシントンナショナル空港で離陸直後の旅客機を撮影したように説明されていますが、正しくないと思います。中には、そのような写真も含まれているかもしれませんが、同空港に就航していないサウスウェスト航空や外国の航空会社の旅客機が多いことから、国内線主体の同空港が主たる撮影場所であったとは考えにくいでしょう。

*3:この写真家は、スポッティングには関心がないらしく、撮影した旅客機の登録番号を記録していません。アメリカの航空会社は、左翼の下に登録番号を書く習慣がないので、真下から撮った写真41点中26点は登録番号が判別しません。まあ、寝転がって撮影していては、登録番号の確認どころではなかったのかもしれませんね。

*4:-700が9点、-400が4点、-200が2点。

*5:ボーイングの製造番号22579で履歴を追跡すると、1981年3月にロイヤル・ヨルダン航空(JY-AFS)に就役して以来、1987年7月ガルーダ航空(同)、同年9月ブリティッシュカレドニアン航空(G-CITB)、1988年4月英国航空(同)、1990年11月全日空(JA8192)、1997年8月日本貨物航空(同)と所有者が転々と変わり、2007年4月以来、シンガポールのJett8航空貨物の9V-JEAとして活躍しているようです。