「BIG BIRD VOL.2」He111 H-6

先週入手したカフェレオの「BIG BIRD VOL.2」からHe111 H-6・5./KG26を作る。食玩としての完成度はかなり低いので、プラモデルを製作するのと同じ心構えが必要だ。製作上の注意事項は、以下の通りである。

  • 隙間だらけなので、いったん全部ばらすつもりでない限り、流し込みタイプの溶剤型接着剤が必須である。
  • 塗装がかなり分厚いので、主翼を差し込む胴体側のダボをサンドペーパかデザインナイフで削った方がよい。無理に押し込むと、接着の弱い主翼上下面が裂ける。
  • 先に降着装置を組み込み、次に降着装置格納庫扉をつける。順番を逆にすると、降着装置が取り付けられなくなる。
  • 部品番号13が余る。おそらく、胴体下面ゴンドラ前後のMG81機銃のつもりなのだろうが、オーバースケールなので、伸ばしランナなどで代用した方がよい。
  • 魚雷の出来がひどく悪い。私は、1,000kg爆弾を装着した。
  • 機番は、実機写真が確認できた機材のうち、第26爆撃航空団第2中隊所属司令官機1H+AN*1を選択した。胴体右側用のデカールは、「NA+H1」と逆になっている。ドイツ空軍機の識別コードシステムで、胴体右側のコードをこのように表記する例を知らないので、間違いと判断し、デカールを切り離して、右側も「1H+AN」とした。
  • デカールの糊が弱い。経年劣化で剥離しないか心配だ。
  • スワスチカのデカールが付属していない。私は、1/72の戦闘機用のデカールを流用した。かなりオーバーサイズだが、ないよりはましだ。

完成品の感想は以下の通り。

  • 全体的にバランスは悪くない。縮尺もほぼ正確である。
  • ただし、主翼が著しく見劣りする。何よりも、厚ぼったすぎる。前から見ると、エンジンに向けて垂れ下がり、エンジンから反り上がる逆ガル型になっている。実機は、エンジンまでの主翼は水平であるし、これほど上反角はきつくない。主翼後部フェレットの曲線表現も不十分で、優美な後姿を再現できていない。
  • 前部風防の透明度が悪いが、操縦室内の再現がかなり大雑把なので、これくらいの方がいいだろう。ただし、風防部品の厚みがありすぎて、胴体と段差ができるのはいただけない。
  • 降着装置の再現度は優れている。タイヤに接地圧表現を施しているのも秀逸だ。
  • 方向舵の弓状バランスウェイトを再現しているのも、この縮尺では誉められていいだろう。

1/144ではまだ珍しいHe111を模型化してくれたことには、深く感謝するが、ぎりぎり合格点というところだ。

*1:グリーンアロー出版「WWIIドイツ空軍ユニフォームと個人装備」44頁。