「世界の航空機コレクション」その10

「世界の航空機コレクション」の紹介の掉尾を飾るのは、カーティスJN-4「ジェニー」である。複座式の初等練習機で、第1次世界大戦中に6,000機以上も生産されている。当時の米軍・カナダ軍パイロットの95%が当機で飛行訓練を受けたという。

かように由緒正しい複葉機ではあるが、フィギュアとしては、いささか見劣りがする。マーキングは一切なく、いつどこで活躍した機材なのかは、特定のしようがない。複葉機特有の張線が省略されているのは仕方ないとしても、支柱やプロペラが成型色そのままの樹脂なのはいただけない。工作精度も悪く、前部降着装置が歪んでいるため、机上に置くと、右翼側に傾く。スタンドを使って飾った方がよさそうだ。

複葉機は、どこか牧歌的な雰囲気が漂うが、当機も練習機とは言え、立派な軍用機だ。今回購入した10機の航空機のうち、純然たる軍用機は、当機と昨日紹介したIl-76MDの2機である。しかし、B-307B(NX1940)は、第2次世界大戦中は米国陸軍輸送機C-75として運用されていた。ほかにも、YS-11は輸送機・電子偵察機・電子戦訓練機等、Fw-200は爆撃機、L1049Gは輸送機・早期空中警戒機、L-1011は空中給油機、MU-2Bは捜索救難機・連絡偵察機B737-800は要人輸送機などの軍用機仕様がある。軍用機に転用されなかったのは、皮肉にも、たった3艇しか製造されなかったDoXだけだろう。やはり、航空機と軍事は、切っても切れない縁にあるようだ。