「世界の航空機コレクション」その9

「世界の航空機コレクション」の紹介も、最後の方は、かなりどうでもよくなってくる。今日の機材は、イリューシンIl-76MD「キャンディドB」である。上翼式主翼に4基のターボファン・エンジンを懸架し、機首の下部には、航法士席の膨らみがあるという独特の(不恰好な)姿である。ずんぐりした胴体には窓はほとんどなく、機体尾部に大きな貨物用ドアがあることから、貨物機であることは一目瞭然だ。

当機は、キューバ航空のCU-T1258である。キューバ航空は、CU-T1258と-T1271の2機のIl-76MDを保有していることになっている。しかし、不思議なことに、キューバ航空のホームページで貨物フリートのページを見ても、Il-76MDは紹介されていない*1。何を隠そう(私が隠しても始まらないが)、Il-76MDはれっきとした軍用輸送機で、CU-T1258を運用しているのは、キューバ空軍なのである。オリジナルのIl-76MDの機尾には、2連装23mm機関砲1門を備えた後方銃座が設けられているが、輸出仕様のIl-76MDには装備されておらず、丸腰の民間輸送機に見える*2

本フィギュアは、特徴ある機首の形状や、猫背の主翼付近をそれらしく再現している。しかし、前部の降着装置とR1/L1ドアの位置が後ろにずれている。マーキングの位置や大きさもかなり不正確である。私の個体固有の事故だが、鼻先の塗装が剥げている。まあ、どう見ても、まるで愛を感じない機体なので、何だっていいのだが。

*1:Il-76MDらしい写真が使われているにも関わらず、フリート・リストには含まれていない。

*2:いわゆる「偽装機」である。