1/350宇宙戦艦ヤマト

会社の帰りに新宿のヨドバシカメラに立ち寄ったら、先週末にバンダイから発売された1/350の「宇宙戦艦ヤマト」のプラモデルが陳列してあった。全長約77cmという途轍もない代物である。

宇宙戦艦ヤマトフランチャイズは、最近の判決で著作権の帰属が一気に不明になったりして、話題に事欠かない。

宇宙戦艦ヤマト」の物語で一番凄いと思うのは、イスカンダル人の予知能力である。148000年後の2199年に、双子星のガミラスが宇宙の片田舎の惑星・地球を襲撃して、滅亡させんとすることを予知し、救援信号を送出したわけである。2199年の148000年前の紀元前145802年というと、人類がサルからホモサピエンスへ見事進化を遂げた頃だ。他方、148000年を1年に圧縮すると、元旦の0時に、「今年の大晦日、23時56分頃、地球が滅亡の危機に瀕するので救ってやらねば。」と発意してくださったことになる。

さらに、信号が減衰もせずに直進し、ちょうど148000年後に地球に到達したのも凄いことである。148000光年という距離は、どれくらいの信頼性があるのか知らないが、1000光年単位に丸めてあるので、控えめに見てもプラスマイナス1%(1480光年)くらいの誤差はあると考えるべきだろう。1480年早く着信した場合、日本は奈良時代が始まったばかりであり、戦艦「大和」はおろか、大仏の建立にも着手していないので、受信は無理だったろう。1480年遅く着信した場合、残念ながら人類は滅亡した後なので、これまた受信されることはない。仮に明日受信されたとしても、まだ190年以上先の話なので、すぐに実行に移そうという気運は盛り上がらないだろう。ピンポイントで2199年に受信されたのは奇跡である。しかも、148000年もかけて送信したわりには、地球人に残された時間は1年余りしかなく、やや公平を欠く印象がある。短時間のうちに「宇宙戦艦ヤマト」を建造し、1年で148000光年を往復した未来の地球人の健闘は、賞賛に値しよう。