ピアノの発表会

今日は、妻と次女のピアノの発表会である。二人が個人レッスンをしていただいている先生の教え子9人が練習成果を発表するのである。場所は、横浜ロイヤルパークホテルのメインバー「ロイヤルアスコット」。去年も、この英国パブ風のバーを借り切った発表会に妻子が参加したが、ホームパーティのような和やかな雰囲気だった。

ホテルのロビーで父母と義父母に落ち合う。14時に会場に入る。まず、次女が4番目に登場し、映画「美女と野獣」から「Beauty and the Beast」を弾く。若干ミスタッチはあったが、何とか無事弾き終える。8番目に妻がドビュッシーの「アラベスク」第1番を弾く。グランドピアノの鍵盤のタッチに馴染めなかったようで、かなり躓く。何とか破綻せずに最後の音符に辿り着いたとき、一番安堵したのは(この難曲を発表曲に選んだ)先生だろう。しかし、この曲に挑戦した意欲は大したものだし、パスカル・ロジェのCDを聴いて研究したというだけあって、まがりなりにも、ドビュッシーの模糊とした音色を再現できたことは、(アマチュアとしては)健闘したと言えるだろう。

続いて、親子や姉妹の連弾編に入り、妻と次女は、ホルストの「惑星」から「木星」中間部を弾く。こちらは、二人の息も合い、ミスタッチもほとんどなく、無事弾き終えた。

茶菓が振る舞われた休憩の後は、先生が4曲模範演奏をされた。この先生は、画一的に演奏技術を教えるのではなく、生徒の技量や個性に応じて、課題曲を工夫してくださる。ピアノ演奏を通じて音楽そのものを好きにさせようという指導方針に共感し、数年来お世話になっている*1

実際、他の生徒たちの演奏を聴くと、緊張しながらも、みんな楽しそうに弾いているのが印象的だった。中でも、シューベルトのD.899の即興曲第2番を弾いた中学3年生の生徒の演奏は、シューベルトの流麗な歌をみごとに紡ぎ出しており、本人の才能と先生の指導の賜物と見た。

16時過ぎにお開きになる。母が、ロビーから見えた観覧車「コスモクロック21」に乗りたいと言うので、8人でぞろぞろと歩いていく。途中、瑞穂埠頭海上自衛隊試験艦ASE-6120「あすか」と護衛艦DD-125「さわゆき」が停泊しているのが見える。また、新港埠頭には、護衛艦DD-157「さわぎり」と同DE-229「あぶくま」が停泊している。今日、横浜港で観艦式があったので、各地から終結してきたもののようだ。

コスモクロック21」は、幸い行列も短く、10分ほどで乗れた。すでに日は落ち、山は見えなかったが、暮れなずむ横浜港を家族で見下ろすのも一興であった。

横浜ランドマークに戻り、4階の京懐石「美濃吉」で久しぶりに双方の両親とともに夕食をとる。娘たちは緊張した面持ちだったが、両親たちは楽しそうだった。料理や酒もおいしく、ちょっとした親孝行になったろう。20時頃お開きにし、店の前で両親たちと別れた。

*1:ちなみに、この先生は、女性には珍しく航空機ファンとのことで、一度、両方の家族で成田空港に旅客機ウォッチングに行ってみたいものだと思っている。