Wilm2006-10-27

曇り後晴れ

[旅行]*1大阪出張
今日は、大阪に日帰り出張だ。武蔵小杉・菊名経由で新横浜に行き、9:20発のぞみ113号(113A)に乗る。ホームにやってきたのは、700系C25編成。13号車10番C席に座る。人に予約を取ってもらったので、窓際ではない。もっとも、行きはずっと仕事をしていたので、景色を見る余裕はなかったし、富士山も雲の中だった。700系は、「速けりゃ、あとは何だっていいでしょ」600系に比べると、揺れも少なく、乗り心地がよい。

11:40新大阪着。東海道線の快速で大阪駅まで行き、東梅田駅から地下鉄谷町線に乗る。エスカレータで左側を開けているのが興味深い。東京と逆だ。駅貼りポスターには、「PiTaPa」というICカードの宣伝が目立つ。「ポストペイ」と称したクレジットカードらしい。「ぴたポン」というタヌキのキャラクターが「あっちこっちで使えるねん!」と大阪弁でアピールしている。JR西日本の「ICOCA」と相互乗り入れをしており、「Suica」と「パスネット」が相互排他的な東京よりも顧客サービスが進んでいる。

ホームに下りてみると、丸ノ内線や銀座線と同じ第三軌条による集電だ。やってきた22系電車は、車体正面中央に前照灯が2基並んでいるという、東京の鉄道では見かけない意匠だ。車内放送は、何で標準語で録音しているのだろう。「ドアが閉まります。ご注意ください。」と言うよりは、「ドアが閉まるさかい、気いつけてや。」の方が大阪らしくていいと思うのだが。

仕事先の最寄駅で降り、ファミリーレストランで同行者と昼食をとる。隣のテーブルには、子連れのママさんたちのグループがいたが、その声量に圧倒され、事前の打ち合わせもままならなかった。

最初の仕事が終わり、次の仕事先へ京阪電鉄で移動する。線路は複々線で広大である。終点の淀屋橋で下車。淀屋橋のたもとの「CAFFE VELOCE」に入り、同行者と次の仕事の打ち合わせをする。ついでに、前の仕事の出張報告を作成して、関係者にメールする。

淀屋橋を渡って中之島に渡る。土佐堀川の眺めが美しい。古風な日銀大阪支店と巨大な大阪市役所の間を通り、大江橋堂島川を渡って、次の仕事先に行く。

17時前に仕事が終わったので、ミニ大阪観光をすることにする。地下鉄御堂筋線なんば駅まで行く。道頓堀橋まで行ってみる。あいにく河川工事中だったので、戎橋の方に回ると、目の前に「グリコネオン」が聳えていた。「かに道楽」「くいだおれ」「づぼらや」などの看板や松竹座ファサードの大アーチを眺めてから、「KPOキリンプラザ大阪」で出張の打ち上げをする。リドリー・スコットの映画「ブラック・レイン*2にも登場したビルである。3階のレストランで道頓堀川を眺めながら、地ビールの「ミナミビール」を飲む。

18時頃店を出、心斎橋筋を歩く。東京人(正確には川崎人)にはアーケードの商店街自体が珍しい。心斎橋駅から地下鉄御堂筋線に乗り、新大阪まで行く。30分後くらいののぞみに乗れるだろうと思っていたら、さすが金曜日の夕刻だけあって、19:40まで禁煙席は満席だった。やむなく19:40発のぞみ262号を予約する。家族への土産を買ったり、最後のメールチェックをしたりしているうちに、新大阪始発ののぞみ262号(9262A)が入線してきた。300系F5編成だ。12号車18番A席に座る。発車後、ちょっとだけ寝ようと思って背もたれを倒したら、次に目が覚めたのは熱海だった。2時間ほど爆睡していたことになる。

22:00新横浜着。横浜線に乗り換えると、横浜アリーナでイベントがあったらしく*3、ホームは人で溢れかえっていた。菊名・武蔵小杉での乗り継ぎもよく、23時頃、帰宅した。

大阪は、行くたびにいいところだと思う。街の佇まいや人々の姿に、今の東京が失ってしまったものを見る気がする。一見がさつで直截的なようでいて、敬語表現を巧みに織り交ぜた大阪弁は、「標準語」よりもはるかに繊細で洗練された言語だ*4。これまでトンボ返りの出張しかしていないので、一度ゆっくり家族と訪れたい(と、国立文楽劇場詣でに向けた環境作りを始めたりして)。
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*1:会社の出張を「旅行」に分類するのは些か気が引けるが、わざわざ「出張」というカテゴリを作るほど、出張に出かけないのでやむを得まい。

*2:大阪を「ブレードランナー」のような感覚で描いた秀作である。松田優作の遺作でもある。

*3:堂本光一のツアー初日だったらしい。

*4:私が第2外国語として習得したいのは、ドイツ語と大阪弁である。