エンジン取り違え

報道やネット上の情報によると、日本航空のJA8183(B747-346)が第1エンジンと第4エンジンを逆につけたまま、8ケ月間運航していたとのことだ。この結果、着陸時の逆噴射の排気が機体の方を向いていたようだが、内側の第2・第3エンジンならいざ知らず、それほど影響はあるまい。実際、日本航空国土交通省のホームページには一切報告がないので、重大インシデントというわけではなさそうだ。排気よりは、エンジンの点検頻度が変わってしまって、所定の発着回数を超えていたことの方が問題だろう。

しかし、どうしてこういうミスが起こるのか。今回、左右を完全に入れ違えて、左から4-3-2-1となったのではなく、4-2-3-1となっていたということは、その他の順列の可能性もあったということだ。なかなか凄いことである。もし、B747の各エンジンがユニークであり、位置的に互換がきかないのであれば、エンジンと機体のインターフェイス(機体メーカとエンジンメーカの責任分界点主翼パイロン間なのか、パイロン・エンジン間なのかは知らないが)をエンジンごとに変えるなどのフェイルセーフ措置が必要だろう。そうなっていないということは、単なる設計ミスなのか、それとも日本航空が主張する通り、たいした問題ではないのか。

少なくとも、何らかの目に見える印は必要だろう*1日本航空の機材は、エンジンを白く塗りつぶしてしまうので、エンジンメーカの商標が表示されていない。もっとも、全日空の機材もエンジンの両側に商標が表示されているので、左右の取り違えには役に立たないか。エンジン番号だと左右を間違えそうなので、第1に「左翼外側」、第2に「左翼内側」、第3に「右翼内側」、第4に「右翼外側」とでも大書したらどうだろう。

*1:問題のJA8183の最近の写真と1年前の写真を見比べてみても、外観上は第1と第4の区別はつかない。