水星の太陽面通過

今日は、日の出から水星の太陽面通過が始まっている。日本で次に見られるのは2032年11月13日と、26年も先の話なので、一生で最後の機会かもしれない。しかも、次回は、水星が太陽面を通過中に日没してしまうので、第3・第4接触(内蝕・外蝕の終わり)を見られるのは、文字通りこれが最後だ。そのような強迫観念に捕らわれて、7時過ぎに起きる。まず、国立天文台岡山物理天体観測所のホームページにアクセスし、インターネット中継を見る。予想されたことではあるが、水星は黒点よりも小さな点状にしか見えない。しかも、Windows Media Playerで再生されているものの、動画なのか静止画なのかわからない。これでは、眼視観測は無理だな、と思いつつ、天体望遠鏡を取り出すのは面倒くさいので、駄目元で双眼鏡を使ってベランダの隣家との境の石膏ボードに投影してみる。直径10cmくらいの大きさに投影したが、芥子粒のような水星が判別できるはずもない。まあ、直視しないのであれば、投影もインターネット中継も同じだろうと考え、岡山物理天体観測所の画像を以て満足することにした。

大阪出張

2週間前に大阪に出張したばかりであるが、また大阪への日帰り出張が入った。前回と同じ新横浜9:20発のぞみ113号(113A)だ。新横浜のホームで新幹線を待ちながら、ネットに接続し、再度、国立天文台岡山物理天体観測所のホームページにアクセスすると、ちょうど水星の太陽面通過の第3接近(内蝕の終わり)寸前の画像を見ることができた。これで思い残すことはなくなった。

700系C52編成に乗車。12号車12番C席だ。今日は天気がいいので、富士市のあたりで富士山がよく見えた。8合目あたりから上はすでに冠雪している。長く裾野を引いた姿が美しい。関が原のあたりは曇りがちだったが、伊吹山のたおやかな姿を望むことができた。11:40新大阪着。仕事をしていると、あっと言う間に着いてしまう。

16:30頃出張先での仕事が終わる。今日も淀屋橋のたもとの「CAFFE VELOCE」に入り、出張報告を書いてメールしてしまう。17時過ぎに仕事から解放されたので、ワンポイント大阪観光に出かける。前から行きたかった通天閣である。淀屋橋駅から地下鉄・御堂筋線に乗り、動物園前駅で下車。JR環状線のガード下からいきなり異国情緒が漂い出す。アーケードのジャンジャン横町に入ると、昭和30年代か東アジアのどこかの都市にスリップしたのでは、と思うような濃い雰囲気になる。将棋クラブ、雀荘、立ち飲み屋、串カツ屋が軒を並べる。特に、将棋クラブは、さすが将棋で有名な通天閣界隈だけあって、どこの店もおっちゃんたちが熱戦中だった。

新世界公園本通を左折し、巨大なフグの張りぼてがぶら下がる「づぼらや」本店の前を右折すると、正面に通天閣が聳えていた。まばゆいネオンや道に張り出す幟の向こうに立つ姿は異様な迫力だ。通天閣の基部まで行ってみると、足のすぐ横まで商店街が迫り、新世界の真っ只中に屹立している格好だ。エレベータで2階に上がり、展望料600円を払って、5階展望台(地上91m)に上がる。周囲には大阪の夜景が広がっている。東京ほど高層ビルが林立していないので、かえって梅田、難波、天王寺などの繁華街が特定しやすい。天保山の大観覧車*1が緑色に光っている。しばし夜景を堪能した後、タワーを降りる。通天閣南本通から振り返ると、塔頂の天気予報ネオンは白・白だった。明日も晴れらしい。

看板が一番派手だった串カツ屋「横綱」に入り、同行者と打ち上げをする。無数の品書きの板が天井からぶら下がる店内で、生ビールを飲みながら、串カツ、どて焼きを食べると、大阪を十分堪能した気分になった。

動物園前駅に戻り、地下鉄・御堂筋線で新大阪に行く。指定席を取ると、30分以上先の19:53発のぞみ46号(46A)になった。家族への土産(こいさん)を買ったり、構内を散策したりする。中央口の近くに、文楽の人形が展示してあった。「義経千本桜」の静御前である。人形拵えは吉田文雀とある。さすが大阪だ。その裏には、千成びょうたんも展示してあった。

700系C22編成に乗車。6号車1番A席。乗車してからメールチェックを始めたが、京都に着く頃から無性に眠くなり、背もたれを倒した。今日も目が覚めたのは熱海のあたりだった。22:11新横浜着。自宅に帰り着いたのは23時過ぎだった。

*1:直径112.5mで世界最大級だそうだ。